INTERVIEWスタッフインタビュー

患者さんの生活の中にいる薬剤師へ

在宅スタッフ

千葉 詩帆

2012年入社

在宅業務のやりがい

外来業務では「薬局に行く」という患者さんの行動の一部に私たち薬剤師が存在していますが、在宅業務では患者さんの生活の中に薬剤師が入り込みます。

最初はそっけない態度だった患者さんが次第に悩みを相談してくれるようになったり、「待ってたよ」と笑顔で迎え入れてくれたり、「藤田さんが担当じゃないと嫌だ」と有難いお言葉を頂いたりなど、患者さんとの間に生まれた信頼関係や薬剤師として必要とされていることを実感できた時が、在宅業務に携わっていてよかったと感じる瞬間です。

また、医師やケアマネージャー、訪問看護師など他職種とも密に連携をとり、患者さん個々の性格や生活状況を踏まえながら薬の専門家として情報共有や意見交換をすることで、薬剤師としてのスキルアップにも繋がります。在宅医療ならではの知識やコミュニケーションを学ぶことができる良い機会だと思います。

患者様とのエピソード

あるご夫婦の担当をしていた時のことです。 旦那様の方は初回訪問時飲み忘れが多い方でしたが、一包化を提案しカレンダーへセットする事でコンプライアンスが改善しました。
また、カプセルが飲みにくい、先生の指示を忘れてしまった、容器が硬くて押しづらい等の相談があり、散薬への変更提案や先生への指示確認、容器が柔らかい別メーカーへの変更などを行いました。最初のころは「体が痛いから早く」という感じでしかめっ面をすることが多い方でしたが、相談に応じる度に「ありがとう」と次第に笑顔を見せてくれるようになりました。

奥様の方は耳が遠く、相手の声が聞き取れないため電話が苦手です。長期連休の前、緊急連絡先を改めてお伝えすると「何かあったら藤田さんに連絡すれば安心だね。私だとわかって、聞こえるように話してくれるから」とお話され、頼りにしてくれているんだなと感じ嬉しくなりました。

ある日旦那様が亡くなり、奥様にこう言われました。「あの人にはあの人に、私には私に合う方法でいつも薬を持ってきてくれてありがとう。それぞれに合わせて柔軟に対応するという事はなかなか出来ることではないからすごいと思っているの。あの人もあなたに会うのを毎回とても楽しみにしていたのよ、ありがとう。」と。

この言葉は私の一生の宝物です。

最後にひとこと

患者様やご家族様と接していると、その笑顔や感謝の言葉に励まされることが多々あります。

その方が求めているものは何か、どうすれば問題が解決できるのか、限られた日々の業務の中で自分には何が出来るのか。患者さんの意思を尊重しつつ考え、知識を高め、行動する事が大切です。マニュアル通りにはいきませんが、その分とてもやりがいを感じられるのが在宅業務だと思います。

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