INTERVIEWスタッフインタビュー
「患者さんの暮らし」が直接見られる業務
在宅スタッフ
池田友子
2003年入社
在宅業務のやりがい
担当している患者さんに対して「私の患者さん」という思いが強くあります。出来れば最後までこの患者さんの薬剤師でいたいと思い、そして少しでも多くの笑顔が見たいと思っています。私の知識や経験が役に立ち患者さんや介護する方が笑顔になった時に、在宅業務に携わっていて本当に良かったと思います。また患者さんやご家族からの「来てくれて助かったよ」「ありがとう」等の言葉は日々の業務の原動力となっています。
また医師から、処方についての相談を受けることもあります。薬についての提案や回答した内容が処方に反映されるので責任が重いですが、信頼してくれる医師がいるという事はとてもやりがいがあります。
患者さんの笑顔の為にも、医師の期待を裏切らない為にも、日々勉強が必要であると感じています
患者様とのエピソード
その患者さんのお宅に初めて伺った時は、あちこちの病院から処方された多数の内服薬と外用薬が大きな紙袋ひとつ分ありました。服薬するのを忘れる事が多く、心不全を悪化させてしまい入退院を繰り返している状態で、またお薬が手元にたくさんないととても不安だとの事でした。まずお薬カレンダーを使い残薬量を明確にし「このカレンダーの薬が無くなる前に必ず来ます。」と何度も説明して、時間をかけて少しずつ残薬の整理をしました。定期的な訪問により患者さんの不安が無くなっていき、ヘルパーさんのご協力もあって薬の飲み忘れもなくなりました。徐々に体調が安定し要介護が5から3に改善され、今ではデパートでお買い物を楽しむまでになりました。
またベッドから動けない患者さんから「痛み止めを飲もうと思ったが、薬を落としてしまった。家族は外出中で連絡が取れなくて困っている。」と電話が来たこともありました。薬局が患者さんのお宅と近い事も幸いしてすぐに訪問し、痛みが悪化しないうちに服薬していただく事が出来ました。後になって、患者さんが一番困った時に薬剤師に連絡をしようと思ってもらえた事が、非常にうれしく感じた出来事でした。
最後に一言
在宅業務と外来業務の違いは「患者さんの暮らし」が直接見られるかどうか、だと思います。実際患者さんのお宅に伺うと、たくさんの残薬がある事がしばしばあります。服薬状況を改善し、薬が患者さんの生活に影響を与えていないかを確認すること薬剤師の役割です。それには知識と経験が必要ですが、初めは誰でも初心者です。わからない事は調べ、先輩やいろいろな人に聞くことで経験不足を補う事が出来ます。勉強と経験を積み重ね、真摯に患者さんや介護する方に接していくうちに、多くの笑顔をみる事が出来る様になると思います。
薬剤師の助けを必要としている患者さんはまだまだ多くいると思います。在宅業務に携わる薬剤師がもっと増え、患者さんの笑顔が少しでも増えていくと良いと思います。